2011年10月30日日曜日

修復されて世界遺産になった橋

この橋はボスニア・ヘルツェゴビナの都市モスタルにあるスターリ・モストという橋です。
1500年代、オスマントルコの支配下の時代に建てられたもので、造形的な美しさと建築技術の高さからイスラム建築の最高傑作といわれている橋です。

しかし、ボスニア・ヘルツェゴビナでの激しい内戦により、橋は1993年クロアチア人により爆破されました。
昨日まで平和に暮らしていた隣人同士がユーゴスラビアからの独立をめぐりその是非を争い、それがクロアチア人、セルビア人、ムスリム人の民族間同士の 覇権争いに発展し民族浄化の嵐が吹き荒れたのです。補給路を断つと共に、ムスリムの象徴だった橋が狙われたのですね。1995年内戦はおさまりました。

2004年、国際的な援助と強靭な市民の力によって橋は再建され、翌年異民族融和と平和を象徴するものとして世界遺産に登録されました。


モスタルの町を歩くと、見事に復興した街並みの中に無残に壊れた建物が残っています。負の遺産として残すということでしたが戦争の愚かさを声なき声で語っているような気がします。


ユダヤ教のモスクです。敷地には何もなく、唯モニュメントだけがぽつんと立っています。


これは市内を走る路線バスですが日の丸が大きく目につきます。日本からの援助で走っているもので、立ち止まって見ているだけで、何台も目にしました。
海外に出て日の丸を見るのは嬉しいものです、


結局、内戦の結果ボスニア・ヘルツェゴビナは、ムスリム人とクロアチア人主体のボスニア・ヘルツェゴビナ連邦とセルビア人共和国の二つの構成体からなる連合国家として出発し、今に至っています。
民族間の問題は私などの想像をはるかに超えた複雑で難しい永遠の?です。

ちなみに北朝鮮の金正男の長男は、ここモスタルに留学しているということです。


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